口臭とは口の中から発生する不快な臭いのことですが、口臭の90%以上は口の中で発生しています。
しかし、口腔だけではなく 胃 の不調が 原因 となり、 口臭 が発生してしまうこともあります。どのような仕組みで口臭が発生してしまうのでしょうか?そのメカニズムをご説明します。
胃の不調や病気が原因で口臭に?そのメカニズムとは?
実は胃の臭いが直接口臭になるわけではない
「胃が口臭の原因になる」というと胃の中の臭いが口まで上がってくるように言われることがありますが、そうではありません。
口と胃は食道でつながっていますが、食道の流れは口から胃への一方通行です。胃は消化の過程でガスが発生しますが、胃のガスは食道に逆流しない仕組みになっています。
その理由は、食道と胃の境界にある括約筋という筋肉がフタの役割をしているためです。このフタが開くのは食べ物が口から胃に運ばれるときのみで、呼吸をしているときにフタは閉じています。そのため、通常はゲップをしない限り胃の臭いが直接息として吐かれ口臭になることはありません。
胃の不調から口臭が発生するメカニズム
胃の不調から次のようなメカニズムで口臭が発生します。
口の中が乾燥して口臭が発生する場合
胃の調子が悪くなると、口の中が乾燥し、唾液の量が減ります。唾液には自浄作用・抗菌作用といった口臭を防ぐ働きがあります。しかし、唾液の量が減ると口の中の細菌が増え、悪臭が発生して口臭になります。
口の中が乾燥して口臭になるのは、朝起きたときに口臭が発生するのと同じメカニズムです。
消化不良により口臭が発生する場合
胃が不調になり本来の働きが鈍くなると、食べ物を胃の中で十分に消化できず消化不良を引き起こします。
消化不良となった食べ物は異常発酵し、悪臭のガスを発生させます。これら悪臭のガスは血液に溶け出し、肺に運ばれた後に呼気となって口から吐かれます。この呼気に胃から発生した悪臭のガスを含むために、口臭が発生するのです。
つまり、胃に起因する口臭は胃から直接臭っているわけではなく、間接的な要因により発生しているものなのです。
口臭の原因になる胃の病気
単なる胃の不調によるものだけではなく、胃の病気によっても口臭は発生します。口臭になる病気として胃炎や胃潰瘍・胃がん・十二指腸潰瘍があります。これらの病気により口臭が発生すると卵が腐ったような臭いがします。
発症の原因として、ピロリ菌の感染が深く関わっているといわれています。ピロリ菌は胃の中で毒素を出し、炎症を引き起こします。また、ピロリ菌は胃の老化も促進するため、胃がんになる確率が高くなっていきます。
このような病気が原因で口臭が発生している場合は、口臭の改善よりまずは病気を治すことが先決です。病気を治すことで口臭も改善していきます。
胃の調子を良くするための生活改善ポイント
胃の病気が発生している場合は専門医による治療が必要です。しかし、不規則な生活や食事、ストレスにより胃が不調になることもあります。
食生活ではバランスの良い食事を心がけ、食べ過ぎやアルコールの摂取を控えることで胃に負担をかけないようにしましょう。就寝中は胃を休ませてあげる必要があるので、就寝前の夜食も控えた方がよいでしょう。
また、ストレスや不規則な生活も胃の環境にとってはマイナスになりますので、生活習慣の見直し、ストレスの発散で胃の環境を整えてあげることが大切です。
まとめ
胃の不調や病気が原因で口臭に?そのメカニズムとは?
実は胃の臭いが直接口臭になるわけではない
胃の不調から口臭が発生するメカニズム
口臭の原因になる胃の病気
胃の調子を良くするための生活改善ポイント