ホルモンバランスは病気だけでなくストレスや日々の生活が乱れるなど、ちょっとしたことで乱れてしまいます。女性にとって自分のホルモンの状態を知ることは、妊娠や出産だけでなく健康を維持するうえでも有用です。
ここでは ホルモンバランス 検査 についてお伝えいたします。
体の不調の原因は?ホルモンバランス検査でわかること
ホルモンバランス検査とは
女性ホルモンは脳の視床下部が指令を出し、卵巣で作られて血液中に分泌されます。月経や排卵、妊娠、新陳代謝などに関わっていて、女性の体のサイクルを作っています。ホルモンバランスを検査するには婦人科、産婦人科、更年期専門外来など、医療機関を受診します。
医療機関で血液や尿を採取し、その中に含まれるホルモンの量を調べ、卵巣機能をチェックするのがホルモンバランス検査(ホルモン検査)です。ホルモンの種類によって検査に適した時期がありますので、月経周期にあわせて何度か検査を受けることになります。
準備として、検査を受ける前に基礎体温表を付けて、月経の周期を把握しておきましょう。検査費用は医療機関によって異なりますが、1項目1,000円程度で、病気が関連している場合は保険適用されます。
検査項目として、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、LH(黄体化形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)などがあります。
エストロゲンとプロゲステロンの関係
エストロゲン(卵胞ホルモン)は月経後から排卵までの間に多く分泌されます。子宮をはじめ、骨や血管などを健康に保つ働きがあります。
また女性らしい丸みを帯びた体や、新陳代謝などにも関わり、「美のホルモン」とも呼ばれています。
エストロゲンの数値が低いと卵巣機能が低下していますので、無排卵や更年期障害が考えられます。数値が高い場合は妊娠の可能性がありますが、高すぎると不妊の原因になります。
プロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵から月経前までの間に多く分泌されます。主に妊娠に関わるホルモンで、基礎体温を上昇させ、受着床を助ける働きがあります。
月経前の肌荒れやイライラやむくみなどはプロゲステロンの影響です。妊娠するとプロゲステロンは分泌され続けますので高温期が続きます。
プロゲステロンの数値が低いと機能不全が考えられ、不妊の原因になります。数値が高い場合は卵巣や副腎の機能障害が考えられます。
このエストロゲンとプロゲステロンのバランスが乱れると、体や心に不調があらわれてきます。月経不順、月経痛、PMS(月経前症候群)、不正出血、自律神経失調症、不妊、更年期障害などが起こりやすくなります。
LH、FSH、プロラクチンについて
LH(黄体化形成ホルモン)は排卵を促し、卵胞を黄体化させる働きがあり、エストロゲンやプロゲステロンの分泌にも関係しています。数値が高いと卵胞の数が少ないことが考えられます。
FSH(卵胞刺激ホルモン)は卵胞を育てる働きがあるホルモンのひとつです。LH、FSHの数値がともに低いと排卵障害の可能性が考えられます。
プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)は産後、母乳を出すように促すホルモンで、排卵を抑制する働きもあります。数値が高いと排卵障害の可能性が考えられます。
更年期障害
思春期から活発に分泌されるようになる女性ホルモンですが、閉経前後(更年期)になると卵巣機能が衰えはじめ、エストロゲンの分泌が減っていきます。
その変化に体が対応できず、体に不調があらわれるのが更年期障害で自律神経失調症のひとつです。ほてり、めまい、多汗、イライラ、不眠、動悸、倦怠感など、さまざまな症状があらわれます。
20代や30代の若い世代でも更年期の症状があらわれる、若年性更年期障害(プレ更年期)も増えています。無理なダイエット、偏った食生活などでホルモンバランスが乱れることが原因のひとつだと考えられています。
まとめ
体の不調の原因は?ホルモンバランス検査でわかること
ホルモンバランス検査とは
エストロゲンとプロゲステロンの関係
LH、FSH、プロラクチンについて
更年期障害