手荒れ と言っても、さまざまな症状があります。その症状に合わせて 薬 やハンドクリームがつくられていて、間違ったものを使うと逆に悪化してしまうこともあります。
ここでは症状別に効果的な薬やハンドクリームの選びかたを紹介します。
手荒れの症状別による効果的な薬の選びかた
かさつき(軽度の手荒れ)
乾燥して潤いがない、ささくれができるなどの場合は「シアバター」「ヒアルロン酸」「セラミド」配合のものを使います。これらの成分は手肌の角質層の奥まで浸透するので、肌の内側から潤いを高めてくれます。
乾燥を防ぐには、手に水分・油分を補給して逃がさないことが重要です。手全体(症状が出ていないところも全部)に広く塗りこみ、乾燥を感じたら何度も塗り直します。
手荒れにワセリンが効くと言われますが、ワセリンには手荒れを改善してくれる薬(成分)は含まれていません。予防には効果が期待できますが、荒れてしまってから使っても効果はありません。ワセリンは乾燥を防ぐための保護剤として使いましょう。
ひび割れ、あかぎれ(中度の手荒れ)
なかなか治らない手荒れやパックリ割れてしまっている場合は「ビタミン」配合のものを使います。ビタミンCやビタミンEは末梢血管の血行をよくして水分や油分を補給します。血行がよくなることで指先の冷えも改善されます。
また、美白、美肌の効果もあり、荒れてしまった手をハリのある肌に導いてくれます。手を洗ったあとや入浴後など、こまめに塗り直し乾燥を防ぎましょう。
尿素配合のものは、ひび割れやあかぎれの場合、悪化してしまうことがありますので注意が必要です。
硬くなる、ごわつく(中度の手荒れ)
ガサガサと皮膚が硬くなってしまった場合は「尿素」が配合されたものを使います。尿素は硬くなった角質を柔らかくし、除去する効果があります。刺激が強いので、傷やささくれなどがある所には使用せず、角質が硬くなったところにピンポイントで使用します。
継続的に使用すると肌のバリア機能が失われてしまいますので、症状が改善されたら使用を控えましょう。
手だけでなく、ひじやひざ、かかとの角質除去にも効果がありますが、使いすぎると肌を痛めます。また、顔や健康な状態の肌には使いません。肌の弱いかた、敏感肌のかたは刺激が強いのでとくに注意が必要です。
かゆみ、出血、発疹がある(重度の手荒れ)
手のひらだけでなく手の甲にも症状があるなど、重度の場合は「ステロイド外用剤(副腎皮質ホルモン剤)」「ヘパリン類似物質」配合のものを使います。
しかし、ここまで重度の手荒れの場合は皮膚科の受診をオススメします。市販薬もありますが使い方に注意が必要ですので、薬剤師のかたによく相談されてから使ってください。
かゆみがある場合は掻きむしると重症化しますので、絶対に掻かないようにしてください。
また、市販されているハンドクリームは重症化した手荒れには効果がなく、逆にかゆみを引き起こす場合もあります。薬を塗り、ワセリンをたっぷり塗って、綿手袋を付けて保護してください。
手荒れを根本的に治す
手荒れの最大の原因は乾燥です。肌の表面は皮脂の膜で覆われていて角質層の中の水分を守っています。水やお湯を使うたびに皮脂の膜がはがれていき、中の水分が蒸発して乾燥してしまいます。潤いを保つためには皮脂の膜をはがさないことが重要です。
日頃から水を触るときは手袋を使う、熱いお湯で洗わない、手を洗ったあとや寝る前には化粧水などで水分を補給してハンドクリームで保護するなど、こまめなケアを継続することで改善されていきます。
肌は1日や2日で入れ替わるものではありません。肌が生まれ変わるのに最低でも4週間が必要です。少し改善したからといってケアを怠ると、手荒れを繰り返すことになります。
その他、ストレスや食べ物などが原因としてあげられます。皮膚の免疫力を低下させないように内側からもしっかりケアしていきましょう。
まとめ
手荒れの症状別による効果的な薬の選びかた
かさつき(軽度の手荒れ)
ひび割れ、あかぎれ(中度の手荒れ)
硬くなる、ごわつく(中度の手荒れ)
かゆみ、出血、発疹がある(重度の手荒れ)
手荒れを根本的に治す